こんにちは。
医学部学士編入では、2年次後期編入が多かったのですが、
最近2年次編入となる大学が増えてきました。
これには色々理由が噂されていて、
- 2年次後期編入した学生の成績がいまひとつだった。
- 基礎科目の教育を大学が重視し始めた。
などが考えられます。
しかし、いまだ2年次後期編入、3年次編入の大学は少数ながら存在し、
それらに合格すれば卒業までの年数を短縮できるので検討する価値はあります。
今回は3年次、2年次後期に医学部編入できる大学をまとめてみました。
2年次後期編入できる大学
滋賀医科大学
唯一の2年次後期編入ですね。
科目は1次試験が総合問題(生命科学、物理、化学)と英語、
2次試験が小論文と面接です。
定員が17名で、うち地域枠が5名と定員が多いですね。
地域枠の要件は
近畿圏及び滋賀県に隣接する県(福井県、岐阜県、三重県)の高等学校を卒業し、地域医療に強い意欲を持ち、卒業後、滋賀県内の病院に勤務する意思のある者とします。
はっきりと勤務年数が示されていませんが、
「滋賀県の医療へ貢献、県内病院での卒後臨床研修の誓約にかかる確約書」
を提出することから、県内病院で研修医として勤務することが条件のようです。
2018年は7月23日に最終合格発表となります。
2年次後期編入でも、3年次編入の大学に合格して翌年の4月入学の受験生と同じ学年となるため、「2年後期でしっかり勉強できる3年次編入」と
言って良いと思います。
(2年後期は科目も多く勉強大変ですが、、)
3年次編入できる大学
続いて3年次編入です。
千葉大学
千葉大学はMD-PhDコースですね。
MD-PhDコースとは
本コースは,既に医学以外の学問を修得し,なお医学に意欲をもつ者に新たに門戸を開くことにより,高度の医学研究を目指す生命科学研究者・高度先進医療専門医の養成を目的としています。したがって本コースの入学者は医学部を卒業後,引き続き大学院医学薬学府博士課程に進学するものとします。
大学院への進学が義務づけられていますね。
完全に研究者を養成する目的で編入試験を行っています。
試験は1次試験が、英語、生命科学・自然化学、小論文で、2次試験が面接資料作成、面接です。
定員が5名で、地域枠はありません。
研究の分野で結果を出している方はアドバンテージとなるので、
卒後も研究で活躍したいという方は第一候補として良いと思います。
逆に臨床を第一に考えている方は候補から外れるでしょう。
名古屋大学
名古屋大学も千葉大学同様、学士編入試験を研究者の育成の目的で捉えているようです。
編入試験ページのQ&Aによると、
Q3) 臨床医にはなれないのでしょうか?
基本的には、医学科を卒業後、早期に医学系研究科博士課程に入学し、医学研究者として活躍することを期待しています。なお、編入学生も本学科卒業時には医師国家試験の受験資格が得られますので、国家試験に合格し、医師免許を取得後、数年間臨床医を経験してから、博士課程に入学し、臨床医としての経験を生かした医学研究者になる方法もあります。
Q5)編入学者のカリキュラムについて教えて下さい。
医学研究は日進月歩であり、現代の医学医療に関する知識量は劇的に増大しているため、医学生が記憶すべき知識量は膨大です。特に編入学者は、入学初年度(第3年次)から基礎医学の教室にて研究を行いつつ、通常5年間で行う医学専門科目カリキュラムを4年間で修了するため、十分な気力、体力、知的能力が必要になります。とりわけ入学初年度(第3年次)が非常に大きな負担になります。そのため、合格者は、入学までの時間を利用して各自で準備学習をしていただきます。準備学習の具体的内容については最終合格者に通知します。
学部学生から研究室に配属され、さらに「数年間臨床医を経験してから、博士過程に入学し、臨床医としての経験を生かした医学研究者になる方法もあります。」
という文面から、臨床医はあくまで研究のするための経験のひとつであり、最終的には早期に研究に従事することが求められるようです。
試験科目は1次試験が英語、生命科学を中心とする自然科学、
2次試験は小論文と面接で、定員は5名で地域枠はありません。
島根大学
島根大学は3年次編入で唯一臨床医としての活躍が期待されている大学です。
試験科目は1次が英語、自然科学総合問題、2次が面接小論文となっています。
定員は10名でうち地域枠が3名です。
地域枠の要件は、
①島根県内の高等学校又は高等専門学校卒業者(高等学校在学中に島根県内に在住していたものを含む。
②卒業後は、島根大学医学部附属病院を含む島根県内の病院の臨床研修プログラムにより初期及び後期の臨床研修を受けるとともに、島根県の地域医療に貢献できることを確約できる者。
引用:島根大学 募集要項
初期及び後期研修まで島根大学、島根県内としていることからかなり人材の確保に力を入れていることがわかります。
やはり地方は医師の都市部への流出が顕著のようです。
地域枠の要件を見たし、島根県での医療に貢献することを面接官が納得できる理由で
述べられたならかなりプラス要素となりそうです。
地域枠使えて臨床医になりたい方は第一候補ですね。
2年次後期編入、3年次編入でもついていけるのか
これについては「個人の努力でカバーできる」と考えています。
もちろん負荷はかかりますが、名古屋大学のように入学前に大学から予習を
指定されたり、大学に電話で確認すれば入学までにどのような勉強をすれば良いか
ヒントをもらえると思います。
また、編入試験に合格した方なら入学前の予習なしでも、編入試験の勉強の蓄え+入学後の勉強(基本的に授業後に毎日深夜までする必要はあり)で対応できることははっきりと言えます。
ただ、やはり入学初年度は、勉強の面でも環境の面でもかなりの負荷がかかるのは確実なので、合格してからがスタートと認識しておく必要はあります。
まとめ
- 2年次後期編入、3年次編入は2年次編入と比べ1年早く卒業できる。
- 3年次編入は千葉大学、名古屋大学が研究医、島根大学が臨床医を求めている。
- 最近は2年次後期編入、3年次編入が減っているため、条件にある大学がある場合は積極的に検討するべき。