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国立大学医学部に学士編入した医学生のブログ。

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【講義って本当に必要?】医学部で学生への知識・座学教育は必要か。【予備校で良くない?】

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こんにちは。

 

今日は今まで医学部の教育を受けてきた中で感じたことを率直に書きます。
ちょっと穏やかではない内容ですが。笑
でも自分が感じたことなので正直にブログに残そうと思います。

 

これから医学部に入学する方、医学部に在籍している方がいたら
読んでもらえると嬉しいです。
もちろんこれは僕の大学の話で日本全国でそうだとは思いません。

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医学部教育の目的とは

まず医学部教育の目的について振り返ります。
厚生労働省では医学教育の指針として「医学教育モデル・コア・カリキュラム」というものが示されています。

 

基本理念として、キャッチフレーズ「多様なニーズに対応できる医師の養成
が掲げられ、大学教育における位置づけとして、「モデル・コア・カリキュラムの整理」や、「教材等の開発・共有」、「診療参加型臨床実習」などが挙げられています。

参考:医学教育モデル・コア・カリキュラム

 

この中の「モデル・コア・カリキュラムの整理」というのは、

モデル・コア・カリキュラムは、各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共通して取り組むべき「コア」の部分を抽出し、「モデル」として体系的に整理したものである。

このため、従来どおり、各大学における具体的な医学教育は、学修時間数の3分の2程度を目安にモデル・コア・カリキュラムを参考とし、授業科目等の設定、教育手法や履修順序等残りの3分の1程度の内容は各大学が自主的に編成するものとする。

引用:医学教育モデル・コア・カリキュラム

 

つまり、「国として共通して医学生に学んでほしい部分は示すから、残りは大学独自のカリキュラムで教えてね」ってことですね。
 例えばこんな感じです。

 

A-1 プロフェッショナリズム
人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、患者中心の医療を実践しながら、医師としての道(みち)を究めていく。
A-1-1) 医の倫理と生命倫理
ねらい:医療と医学研究における倫理の重要性を学ぶ。
学修目標:
①医学・医療の歴史的な流れとその意味を概説できる。
②臨床倫理や生と死に関わる倫理的問題を概説できる。
③ヒポクラテスの誓い、ジュネーブ宣言、医師の職業倫理指針、医師憲章等医療の倫理に関する規範を概説できる。

引用:医学教育モデル・コア・カリキュラム

 

こんな項目が山のようにたくさんあります。

このような感じで、最低限コアとして持っていなければならない知識が誰にでも閲覧できる状態で示されています。

そして、大学の授業はこのコアの知識の授業+独自のカリキュラムで構成されています。

 

教育、授業の現状はどうなっているのか

以上を踏まえて僕が経験してきら大学の現状を述べます。
結論から言うと、授業を聞いている学生があまりに少ないです。
もちろん授業によって違いますが、感覚的に5~6割は聞いてないです。

 

じゃあ何をやってるのか、まあ大学生だし寝てる人も多少はいるでしょう、
部活やバイトの資料作っている人もいるでしょう、
しかし、僕が一番もったいないと感じるのは、

予備校のネット講座を見たり、内職している人が多い」ことです。 

※医学部にはMEC、TECOM、medu4などの国家試験対策予備校があり、

講義動画を配信しています。

 

 

それはなぜなのか、これには

①予備校の授業のほうが圧倒的にわかりやすくクオリティが高い。

②授業を聞いても理解するのが困難な場合も多い。
といった理由があり、僕も正直予備校の授業聞いてたほうがよっぽどその時間で得られる知識が多いと思います。

 

よく医者は「臨床」、「研究」、「教育」の3足のわらじを履いているといいます。
そのため学生のために時間をかけて講義をできる先生は限られており、
臨床、研究の合間を縫って教育をされている状態です。
それは当然教えることに注力している予備校のほうがわかりやすいですよね。

 

じゃあ、「先生ほっといて内職すればいいじゃん」と思うかもしれませんが、
その先生が授業をしている間は、臨床も研究もストップしているんですよね。

 

授業の時間は誰のためになってる?

つまりその時間は、
・学生にとっては、「内職したり、予備校の講義見ることができる時間
・先生にとっては、「臨床、研究がストップしてしまう時間
・患者さんにとっては、「先生の診察、治療を受ける機会が減ってしまう時間

となります。

 

先生、特に患者さんに不利益多いな・・
学生が先生の授業を聞いてリターンを得られるといいのですが、全ての時間でそれを実現するのは難しい状況です。
じゃあどうすべきか。

 

モデル・コア・カリキュラムで、コアとなる知識が決まっているのだから、

厚生労働省でモデル・コア・カリキュラムに沿った知識を得られる動画なり、

pdfなりを作成し、学生は知識はその動画で吸収し、病院実習で深める。

また残りの1/3の学修時間を使い、医学英語の学習やモデル・コア・カリキュラムの

知識をアウトプットできるような授業(ドクターGのような)にする。

みたいにすると良いかなと思ってしまいます。(不可能ですが。)

 

そう思ってしまうほど、あの授業中の虚しさったら無いんですよね。。
早起きして内職するために学校来てるのかと。
すごい時間をかけて完璧に予習すれば少しは授業がわかるかもしれませんが、
毎日の復習やCBT、国家試験に向けた勉強、試験対策をする中で難しいんですよね。

 

病院実習に関しては絶対に実地の経験が必要な部分で、
それは今の方針で厚生労働省の指針が満たされていると思います。

 

まとめ

今日は医学部の授業について色々思っていることを書いてみました。
予備校ベタ褒めしましたが、予備校の授業は国家試験対策にかなり偏っているので、
授業で臨床のお話を聞けるのも素晴らしいことであるのは認識しています。
色んなご意見あると思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。